ASPI航空宇宙戦力研究所

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令和7年度

小松基地航空祭:令和7年10月5日㈰(報告者・福江広明)

■行事の概要

1 全般

 令和7年10月5日㈰、石川県・小松市に所在する航空自衛隊小松基地を訪問し、航空祭関連行事に出席させていただきました。天候はあいにくの雨模様でしたが、来訪される観客の方々は多かったように思われます。また基地周辺は交通規制が厳しい中、遠方から小さいお子さんを連れて徒歩で基地に向かわれるご家族もおられたぐらいです。
私は4日小松市内で開催された前夜祭に出席した際に、野村基地司令をはじめ基地の運営に携わる主要幹部に挨拶させていただく機会がありましたので、基地活動の状況などを拝聴することができ、所在部隊の活気ある雰囲気を十分に感じ取ることができました。当日については、基地体育館内における祝賀会に主席する前には、基地内の立入りが許可されている施設を数か所見学するとともに、慰霊碑に参拝させていただきました。


2 航空祭

 主な行事等は、以下のとおりです。

 ・展示飛行(天候不順のため、プログラム変更して一部のみ実施)
 ・地上展示(各種航空機、他の関連装備品等)
 ・各種イベント
 ・航空祭祝賀会
  ・第6航空団司令兼ねて小松基地司令 野村信一将補の挨拶
  ・国会議員、石川県知事、小松市長の来賓祝辞等
  ・歓談 等
 


■若干の所感

 私(ASPI会員・福江)は小松基地では6空団基地業務群司令として平成15年4月から1年弱勤務しました。1年に満たない期間ではありましたが、はじめての戦闘航空団基地勤務ということもあり、逸る気持ちと緊張の中、着任したことを昨日のことのように覚えています。また初めての単身赴任でもありましたので、平日の課業時間外や休日には、営内の若き隊員と一緒に能登半島をはじめ基地周辺の観光地巡りをして楽しんだものです。
祝賀会において、野村基地司令が隊務の運営方針、周辺地域等への協力・貢献を中心に挨拶された中に、自らが最も重視しているのが、「信頼」という言葉であるとの思いを語られたのがとても印象的でした。AI、DXといった先進技術の時代にあっても人と人との信頼こそが、組織が健全にして精強たるになくてはならない無形の要素だとあらためて痛感した次第です。

基地司令

千歳のまちの航空祭等:令和7年9月7日㈰(報告者・福江広明)

■行事の概要

1 全般

 令和7年9月6日㈯~7日㈰北海道唯一の航空自衛隊戦闘航空団所在基地である千歳基地において、千歳のまちの航空祭関連行事が催され、出席しました。この基地祭の特徴は、千歳市と一体となったイベント開催です。”「空のまち ちとせ」の仲間たち”と称して千歳市をはじめ多くの諸団体が参画・協賛されていて、基地外でも連動して様々なイベントが行われています。今年は9月開催で北海道の快適な気候を肌で感じることができ、猛暑の東京からの訪問者にとっては、たいへん有難かったです。

2 前夜祭:9月6日(1700~1830)

 ・ホテルグランテラス千歳(2階「鳳凰の間」)において、地元の航空自衛隊OB会である「千鷲会」が主催、空自基地は協力という形で行われました。同基地勤務経験者及び遠方からの来訪者を交えての1時間ほどの歓談で、今年も大変盛会でした。

3 千歳のまち航空祭:9月7日(0800~1300)

 主な行事等は、以下のとおりです。

 ・オープニングフライト
 ・展示飛行
 ・地上展示(各種航空機、他の関連装備品等)
 ・各種イベント
 ・市内イベント 
 ・航空祭祝賀会
  ・第2航空団司令兼ねて千歳基地司令 渡邉正人将補の挨拶
  ・千歳市長、国会議員の来賓祝辞
  ・千鷲会・佐藤敏博会長の乾杯
  ・歓談 等
 


■若干の所感

 私(ASPI会員・福江)も千歳基地司令経験者の一人です。私自身の着任日は9月1日でその日の夕刻に千歳空港に到着。その日は千歳神社のお祭りで涼しいというよりは肌寒かったことを思い出します。
 今年の航空祭では、千歳基地の茶道部による野点がコロナの影響で中断されていた以降、久しぶりに催されました。その様子は掲載しています2枚の画像をご覧ください。この基地茶道部の活動を通じて、私は茶の湯における亭主の務めを教授していただいたことも懐かしいです。
 ちなみに、現在の千鷲会の佐藤会長は、私が基地司令の職にあった当時(平成19年9月~21年3月)、同基地副司令として共に職務を遂行した方です。

祝賀会において挨拶に立つ千歳基地司令・渡邉正人将補

千歳のまちの航空祭等:令和7年9月7日㈰その2

串本分屯基地44年ぶりの訪問:令和7年6月5日㈭~6日㈮(報告者・福江広明)

1 全般
  6月5日及び6日の二日にわたり、和歌山県串本町須江に所在する串本分屯基地を訪問しました。44年前に防大卒業後、幹部候補生学校(奈良県)に入校中に部隊実習(昭和56年6月)した初めての部隊です。画像にある私服の2人はその時候補生(階級は空曹長)でした。
  ほぼ半世紀経った今、青春時代の原点探しのために事前立入申請して今回の訪問が実現したものです。
  スライド画像(上の2枚)はその際、基地内施設見学などでお世話になった現在勤務にある第5警戒隊の隊員さん(玄関前の画像で右から寺崎隊長、尾上副隊長、准曹士先任。片手を開いているのは第5警戒隊を意味する”ファイブ”です。「ストップ・フォト」ではありません。
  ちなみに6日の昼食メニューは「空自空上げ」でした。アメージングな味付けで完食でした!ありがとうございました。


2 初日と2か日目の見学内容

□初日
 ・1500に基地到着→寺崎隊長表敬→隊員さんへの講話(1時間ほど)→1700過ぎ離隊
 ・講話の概要
  〇串本分屯基地44年ぶり訪問の理由
  〇昭和50年代後半と現代の自衛隊を取り巻く環境の差等
  〇定年退職後の自衛隊に対する想い
  〇自衛隊員の矜恃、任務の遣り甲斐など
□2か日目
 ・1130に基地到着→基地内幹部食堂にて会食→基地内主要施設の見学→1400過ぎ離隊
基地庁舎前にて記念撮影

串本分屯基地44年ぶりの訪問:令和7年6月5日㈭~6日㈮その2

静浜基地開放行事等:令和7年5月25日㈰

1 全般

 令和7年5月25日㈰、静岡県焼津市に所在する静浜基地において、「静浜基地開放行事」が開催され、関連イベントの見学、意見交換会に参加しました。T4練習機墜落事故により搭乗員2名の死亡等にかんがみ、当初「静浜基地航空祭2025」とされていました基地行事名を「静浜基地開放行事」に変更された。予報では雨天でしたが、当日は雨は上がり、やや風が強いものの、会場上空のフライト及び地上展示には大きな支障はなく、無事の開催となったようです。ただし、T4による航空事故及び美保基地での隊員の地上事故の関係から、予定されていた機種のうち、いくつかは中止となりました。

2 展示内容:1000~1330

  • 飛行展示:T-7、U-125A、UH-60J、F-2、F-15、静岡県警ヘリによる飛行展示
  • 地上展示:航空機展示、装備品展示、譲渡「警備犬」公開
  • T-7jr編隊走行展示
  • 写真撮影:T-7記念撮影

3 意見交換会:1310~1440

 宮川基地司令の挨拶の中には、重大な航空・地上の各事故が発生し、その対応が継続している最中にあって、静浜基地の開放行事を実施すべきか否かでかなり苦慮されたこのお言葉がありました。それでも平素から多大な協力支援並びに任務遂行に対するご理解をいただいている関係自治体及び周辺住民の方々へのお礼とさらなるご理解を考慮して開催することを決意したとの言葉が印象的でした。もちろん開催にあたっては、本来であれば祝賀会として案内すべきところを、基地の発展・繁栄にかかる建設的な意見交換に努める場として、また死亡隊員への哀悼の意を表するため飲酒の行為を控えるなどの配慮があったことは言うまでもありません。基地行事に伴う各種業務に従事する基地隊員が、こうした基地司令の強い思いを受け止め、節度をもって活動する姿に感激した次第です。

傷浜基地開放行事意見交換会において挨拶する宮川知己基地司令

静浜基地開放行事等:令和7年5月25日㈰その2